スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ハコモノは変えられる!

家族と岩手に移住してから私が15年間ずっと関わり続けて来たテーマが、ハコモノをどうすれば再生できるかだ。県立児童館いわて子どもの森の館長にと増田知事(当時)に依頼されたところから始まるものがたりを、ようやく「ハコモノは変えられる!―子どものための公共施設改革―」(学文社)というタイトルで本にまとめることができた。順風満帆に外からは見えながら、絶えず創造と破壊を繰り返す7年と8か月間に及ぶ改革のドキュメントだ。私の単著として出す初めての本である。

hyoshi_1.jpg


館長職を辞めたので、課題も成果もどちらも忌憚なく冷静に書くことができたと思っている。もちろんこれからの可能性も。伝えたかったのは、プロセスそのものの中に可能性があることであり、ソフト=ひとの力の総結集が館をまるごと変えていったことである。
今、悩んだり苦しんだりしている、多くの公共施設職員、指定管理者となっているNPOのスタッフに読んでほしいと思う。本当は心ある行政マンにこそ読んでほしい。心ない行政マンがどれほど施設運営を妨げているかとも思うから。

子ども本位とか、子どもの目線でとか、言葉やお題目として語るのはたやすい。問われているのはそれを現実に変える方向性をどう具体化するか、だ。そこにはノウハウも決断も説得も必要となる。リスクを引き受ける勇気も。
子どもの置かれている状況を考えれば、抽象的な問題や課題をいじりまわしている場合ではないのだと思う。
ハコモノがすべて必要ないとは思わない。ひとが集う空間があるからこそひとやモノが交流し、対流し、交錯していく。したたかにハコモノを活用し、まったくつくりかえていく知恵と想像力を、楽しみながらユーモアで包んでいくアイデアをできるだけわかりやすく書いたつもりだが。さて、どうだろうか。
スポンサーサイト
関連記事

出版記念パーティのこと

出版記念パーティを終えて東京に出張が続いたため、今やっとブログを書いている。帰りの新幹線の中で、パーティの模様を岩手日報の村井さんが心暖まる記事にしてくれたことを知った。
岩手日報1月28日一面「風土計」

「ハコモノは変えられる!子どものための公共施設改革」(学文社)の発売に合わせて盛岡のメトロポリタンホテルで開催した会には、130名を越える方々が集まってくれた。いわて子どもの森の7年8か月に及んだ怒濤の日々に、こんなにも多様な人々が関わっていてくれたのだとあらためて再認識したしだいだ。(このひとたちで子どもに関わる市民シンクタンクを横断的に作ったらすごいかも)

 子どもの森を通じてお世話になった方々に直接お礼を述べたい。開館準備から7年8か月の間、たくさんの出会いや励ましを得て来れたからこそここまでやれたのだということを少しでも出席された方々にお伝えしたい。そんな思いで私はこの日を迎えた。本の中に書ききれなかったエピソードが無数にある。

 これまでも、そしてこれからも私が発し続けたい問いはひとつだけだ。
 誰のために県立児童館いわて子どもの森はあるのか。
 誰のために公共施設はあるのか。
 そして本のタイトルになった、ハコモノは変えられる!
 ということ。

 表面をなぜただけのサクセスストーリーとしてではなく、子どもたちの置かれている環境がそうであるように、今ここに在ることの困難と矛盾を抱えた県立児童館いわて子どもの森の歩みの中に子どもたちの未来への可能性を見いだそうとするおとなたちが私のまわりにこんなにも居たことが、これからの希望だ。

雨ニモマケズを朗読してくれた一花ちゃん(4年生)、子どもの森の定番になったBGMソングをやさしく、でも芯にはゆるぎない意思を秘めて歌ってくれた高橋ちあきさん、そして自然界の森羅万象と子どもをテーマにスライドショーを組んでくれた写真家の細川剛さん。彼らの織りなすライブは最高だった。賢治の弟宮澤清六さんのお孫さんである宮澤和樹さんも見ている。みんなが不思議とつながっている。
途中、子どもの森の特派員の子どもたちが突然ドアが開いて入場して来た時には本当にびっくりした。私だけがまったく知らなかった。まんまとスタッフやお父さんお母さんのしかけにはまってしまったのだ。でもそれはうれしいこと。思わず、肩の力が抜けてくる。そう、子どもの森のことを書いた本なのだから、いっしょにものがたりを創ってきた子どもたちがいなくちゃそれにふさわしくないよなあと思った。おとなのためのパーティだったのだが、会場にはそれでも子どもたちが来ている。おとなのなかに居て居心地が悪そうなわけでもない。それが何ともうれしかった。

P1000652_1.jpg
パーティーを呼びかけていただいた子どもの森運営委員の皆さんと

P1000756_1.jpg
記念写真の和やかな雰囲気の中で


パーティ開催を呼びかけていただいた子どもの森運営委員のみなさん、本当にありがとう。遠路はるばる、東京、仙台、山形、秋田、青森、北海道から駆けつけてくれた方々にもお礼を言いたい。
関連記事

本の表紙の秘密

新刊「ハコモノは変えられる!」の表紙で、なぜおんちゃんは笑顔じゃないの?と聞かれることがときどきある。パーティでその秘密を話そうと思いながらすっかり忘れてしまった。
それは、写真家の細川さんとのコラボで決めたことでした。今にも雪が降り出しそうな、雨粒まじりの泣きそうな空模様の中で、寒さに震えながら撮影をしていました。遠くからカメラをのぞき込む細川さんの指令は、「吉成さーん、お腹の中でこう念じてー!俺には言いたいことがあるんだ、と」。
そうか、58億のコンクリートの巨大な塊と対峙する構図を撮ろうということか。丹田のあたりに集中をしてそう念じていたらああいう厳しい表情になりました。
子どもがいたら思わず私もほころんでにっこりしまっただろうなあと思います。でも、その時は、ほんとに様々な思いが去来していました。誰もいないからこそ見えてくる本質もあったと思います。
さすが、写真家のひとことでした。

関連記事

いま、失業している人々との出会い

中央大学の高比良先生(NPO推進ネット)に呼ばれて、失業中の人々のためのNPO就業研修の講師として、東京で話をしてきた。先月は青森市で研修をしてきたので、2回目となる。集まった20代から60代の男女がおよそ三十人。千葉や近県からも自主的、自発的に身銭を切って聞きに来た人も多い。
「森と風のがっこうをなぜ開校したのか」を午前中に、午後は「私のしごと遍歴」を中心に話した。話の後の質問タイムはすごい勢いだった。次々と質問が飛ぶ。休憩時間にトイレの中で聞いていくる人も。カフェの開業を準備している人や、田舎で都会と交流しながら定住したい人など、様々に真剣だ。
後ろに断崖絶壁を背負っているからこそ、真剣に生きる目当てを探している。そこからしか本当の創造は生まれない。脳が最大限活性化するのは、この状況しかないことは私も体験的に分かる気がする。Q&Aが流れて止まらないライブ空間に居る緊張感が、私にはとても気持ちが良かった。ぽけーっと弛緩しまくりの大学生を相手にするよりはるかに楽しい。

最後に参加者が私に呟いてくれた感想はこうだ。これまでNPOには専門性がなければ出来ないと思いこんでいたけれど吉成さんの話を聴くと素人でもやっていいんだと元気が湧いてきた、と語ってくれた。そうだ。大事なのはやろうという思い。そして思いの総量では絶対に負けないという自負。これがあればどんな専門性あるオーソリティにも素手で立ち向かっていける。それがNPO、NGOの特権なのだと改めて思った。
それにしても東京には様々な仕事を体験してきてかつ意欲ある人がこんなにいるのに、なんで仕事がないんだろう。地方で活躍できる人材がまだまだ居る予感がした研修だった。東京から地方へ人材を移転させる仕組みづくりは今後ますます求められるはずだ。
関連記事

書店めぐり

自分の本が果たして書店に並んでいるのかが気になって、出かけて行く先々で書店を覗いている。自治体や公共政策の棚に並んでいると、ちょっとほっとする。うれしかったのは、新宿紀伊国屋書店では平積みになっていてあと残り3冊になっていたこと。思わず写メしてしまった。
F1000129_1.jpg

盛岡市のジュンク堂書店では、エスカレータ前の新刊コーナーの平積みに入れていただいていた。岩手町の文化堂書店もがんばって置いてくれている。小さな出版社と名もない私の本を出してくれてありがとうと思わず心の中で呟いてしまった。まだまだ知られていないので、置いていない書店も多いので。

今、児童館や学童クラブ、博物館や文化ミュージアムの現場で運営に悩んでいる人々の手にこの本がじわーっと少しずつ届いていくことが私のひそかな願いだ。
本を読んでくれた方々からの感想が少しづつ寄せられている。それを読みながら、ひとつひとつの縁を結んでいきたいと思う。
関連記事

長野から岩手を考えた旅

長野県木島平村から講演で呼ばれて、森風の長期自然体験
「子どもESDスクール」の話をしてきた。地域づくりコンサルの大先輩Iさんが村の職員になって農村文明塾を展開しているところだ。よい米の取れる村だそうだ。
翌朝、雲一つない青空のもとで、山の中腹に突き出た絶景の露天風呂に入った。眼下に雪の峰だけが広がる様は、日経新聞ランキング全国NO1というのもうなづける。馬曲温泉というそうだ。

その後、長野市内で土蔵を改築してカフェ&工房「MAZEKOZE」(善光寺近く)を開いている美術家の小池さんを訪問。手作りロケットストーブの素晴らしい燃焼効率の良さとお母様手製のおやきのあまりの美味さに感動。店内に、森風に「森のキッチン」を作ってくれた時の写真が額入りで飾ってあったのが何ともうれしかった。奥様の雰囲気がやわらかくて居心地がよい。けっきょく3時間話し込んでしまった。小池さん、付き合ってくれてありがとう。

背後に山を背負う長野はどこか岩手と似ている。気候風土と食べ物がそう感じる源なのだろうか。でも圧倒的に違うのは、東京との距離感。ハコモノの多さ。だからIターン者の数も多い。自分の住まう場所のこれからを考える上で、長野の状況はとてもヒントになる。これから長野に来る回数が増えるような気がした不思議な旅となった。

関連記事
プロフィール

吉成信夫

Author:吉成信夫
ときどき日記です。

リンク
森風 Web Site
    森風ブログ
      最近のコメント
      最近のトラックバック
      月別アーカイブ
      カテゴリー
      FC2カウンター
      RSSフィード
      ブログ内検索
      QRコード
      QRコード
      上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。