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児童館のレジリエンス

こども環境学会大会が東京・東海大学高輪キャンパスを会場に開催された。分科会「子ども環境と制度」を、仙田先生(環境建築家)、汐見先生(白梅学園大)、田嶋さん(元愛知県児童総合センター館長)と私で担当した。その時の感想を少しだけ以下に述べたい。

仙田満先生の報告で、1960年代にご自身が手がけられた子どもの国(横浜市)に始まった日本の大型児童館、児童遊園の歩みを、アメリカのチルドレンズミュージアムの流れや、秋田児童会館へのハンズオン展示の導入などを写真投影しながら語られた。ひとコマひとコマを私は感慨深く拝見した。
いわて子どもの森の元々の構想が使いものにならずこれを抜本的に再構築し直したときはひとりで本当にもがき苦しんだ。七転八倒しながら、新たな大型児童館像を描こうとしたときに唯一私を励ましてくれたのが、仙田先生の子どものための空間づくりへのこれまでの数々の取り組みであったからだ。いわて子どもの森の7年間の実践を通じて私はたくさんのヒントや手応えをもらったことを、私もお話させてもらった。既存のハコモノは変えられるのだと。

最後に先生のプレゼンが「レジリエンス」という言葉で閉められたことが心に残った。青山こどもの城の廃止決定への先生のメッセージだ。家族政策もないままに子どもの文化を簡単にないがしろにしようとする国の児童政策への根本的な批判と私は受け止めた。
レジリエンスとは何か。外部の圧力で崩壊しかかったモノやコトが自ら立ち直る復元力をいうらしい。青山こどもの城廃止問題は今後全国4200館の児童館の存続を含む可能性のある問題だと私は想像し危惧している。厚生労働省も文部科学省も、子どもを育むものの本質に遊びや体験があることを今なお直視してないからだ。
私たち市民はどうか。これまでずっと児童館は空気のように当たり前に地域に存在して来た施設だから、なくなってみないとその存在価値は分かりにくいものなのかもしれない。行政サービス=所与のもの。利用は無料なので、なおさら無くなることがイメージしにくいということもあるだろう。今回のこども環境学会大会でさえもその雰囲気は感じた。大きなダメージを受けるのは、現在と未来世代の子どもたちだ。

だとすれば、こどもの城のこれからを考える時に元通りの復活を望むだけでは何の説得力も持たないだろう。児童健全育成、子育て支援を包含し、新たな多様性を含みながらの子ども環境づくり運動として、子どもの権利を守り、子どもの文化を創り出すこれからの子どもたちのための児童館像を私たちは再構築する必要があるはずだ。

児童福祉、児童心理、環境建築、児童文化、芸術、科学、展示などの研究・実践領域を網羅する学術研究者、子どもと関わる現場実践者、子育てにやさしい先進的な自治体の首長や行政マンを集めたチームが編成できるのはこの学会のユニークな特徴だ。
こども環境学会は自らの存在意義を賭けて、社会に、国に、この像を提示しなければならないのではないかという気がしてならない。
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